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2025/05/15 02:54 |
Witch:著作権・打ち切り・作品の人気と質について
2005年11月末

講談社の出している漫画雑誌「別冊フレンド」を、
以前ピーチガールとかを立ち読みしてた名残で
よく立ち読みするんですけど、
今月号を見たら、
前立ち読みした事ある末次由紀って人の作品が、
「スラムダンク」や「リアル」からの盗作があると
読者に指摘されて新聞やテレビで騒がれて、
結果、
今後その人の講談社コミックスでの全連載休止、全コミック回収・絶版になった
と書いてありました。
本人も盗作を認めており、著作権の認識の甘さを反省している、
との記載もありました。
( 関連ページ http://cabin.jp/k55yuki/ )
別フレ見るまで全然知りませんでしたよ。
しかし、
あんな有名な作品の盗作して、
編集の時点で編集者さん気づかないのかな~とか、
やる方も、
こんなメジャーな方のでやって気づかれないと思ってんのかな~とか、
記事だけ見た時点では思いました。
ネット上で調べて、
その問題とされたページを確認したところ、
「あー、これは気づかんわ。」と思いました。
話をぱくったのかと思ってましたが、
指摘されたのは話ではなく、
構図をトレースして(写して)、顔は変えてるってやつでしたから。
以前、
CLAMPの作品が、
1pまるまるトレースされて同人誌で売られたとかいう情報を
ネット上で見かけて、
そりゃ、同じ顔で同じ構図なら、気づく人も出てくるだろうなぁ…
とは思いましたが、
今回、顔は違ってたわけですからね。
気づいた奴もすげぇなと思います、ハイ。
盗作とは言っても、
「極部分的なシーンのトレース」という形のもので、
なんというか、
編集の時点で指摘されてれば…
もっと著作権に関する指導を具体的にされてれば防げたかもしれない―
と思うと、
これがトレース指摘されたの初めてだとしたら、
「全連載休止、全コミック回収・絶版」てのは、
かなり厳しいんでない?と思いました。
が、情報を詳しく調べてみたところ、
この末次さんは、
2000年頃にもトレースで盗作だと指摘され、
事実を認め、謝罪してるんですよ…。
ってことは、
トレースが、
練習するのにはいいとしても、
本人に許可を得ず、
世間に公開する形で行うのはいけないってことは、
身を持って知っていたってことですよね。
それなのにやっちゃったってのは、
まぁ、確かに、厳重に罰せられても文句は言えないでしょうね。
きっと、
「楽にしっかりした絵を描きたい」とか、
「締切への焦り」から、
こんな事しちゃったんだと思いますが、
それが全部裏目に出ちゃった感じですよね。
ちょっと楽をしたいという怠け心が出てしまったばっかりに、
漫画家としては
窮地に追いやられる形になってしまったわけですから…。
結構、
この「別冊フレンド」って雑誌では、
看板になるような方っぽかったのにねぇ…。
どっかのブログには、
「末次さんはどこまで頑張っても
 世間に名を馳せる”偉大な作家”レベルにはなれない。
 だが、自分では”偉大な作家”レベルだと思っている。
 だから、そんな自分が
 ”偉大な作家”レベルの絵が描けないはずがないと思い、
 だが現実には自分の力量で描けなかったのでトレースした。」
とか、かなり独断と偏見で語ってる方もいました。
私的には、深読みし過ぎじゃない?と思いましたし、
独断でそんな風に語るのは危険だし、相手に失礼では?
と思いました。
私は、
単純に、
締切への焦りと、怠け心でやってしまったんだと思ってます。
だいたい、作品の優劣が人の好みでしか決まらないのだから、
”偉大な作家”の定義も人それぞれじゃないですか。
売上がいいから「いい作品」とは限らないですし。
だって、知名度ってのは、年数踏むほど上がるわけで、
中身を知らず「知名度」を参考にして買う度合いが高いものは、
何でも後に出た物の方が、
自然と売上が上がっていってしまいますからね。
ゲームのFFシリーズとか、そのいい例じゃないですか。
FF10は、売上は確かに今までで一番高かったようですけど、
後に残る「人気」は、
ファンの声とかをネット上とかで見る限りでは、
他の作品程高くないみたいですからね。
なんていうか、言い方変えれば、
知名度が高くなってきてるにも関わらず
以前より売上が上がらないってのは、
「それは駄作だった」っていう判断をされかねないですね…。
もちろん、
流行とか、
ゲーム機や漫画の世間への普及度合いも関わるので、
それだけとは言い切れませんけど…。
ちなみに、私自身は、
たいていの作品は、大ヒットする以前の方が好きです。
作者さんが、
ビジネスではなく情熱だけで一生懸命描いている可能性が高く、
更に、
ネタが出きっていない分斬新さがある、
と感じられるので。
FFも、FF6~FF10をプレイしたうち、一番好きなのはFF6ですし、
矢沢あいさんも、
「マリブル」から「NANA」までで、
一番好きなのは「天使なんかじゃない」ですし。
FFは、FF7から話の製作担当者が変わったらしく、
事実、
キャラを見てもFF7から話の対象年齢が下がり、
テイストが変わった感がありましたので、
そのために、
FF6を最後にFFを離れたファンも結構いると聞きます。
矢沢あいさんも、
「天使なんかじゃない」以降、話も絵の描き方も一変したので、
「天使なんかじゃない」を最後にファンを離れた、
という話を結構聞きますね。
私も、「天ない」後は、
「下弦の月」だけは
三浦君とさえちゃんのペアがあったから好きでしたが、
他は普通ですからね。
「NANA」も、
ハチとノブがくっつくかな~辺りは好きだったんですが、
今は普通です。
やはり「NANA」は
テーマとしているものが「あまりに生々しい痛み」なので、
「笑いあり涙あり」作品をベストとする私には、
買うほどではないな、という類になるんですよ。
求める傾向の違い故ですね。
私は、「痛み」をテーマにするなら、
現実そのものを描かれるより、
ファンタジーテイストが入る方が好きなので。
なんだか話が反れてしまいました…(汗)。
とにかく、
偉大だ何だってのは、人それぞれで、
後になってからじゃないと分からないものだってことです。
矢沢あいさんとか、「鋼の錬金術師」の作者とか、
その例として挙げられると思います。
「天ない」連載時、
矢沢さんがこんなに有名になるなんて予想もしなかったですし、
ハガレンにしても、
TV化でこんなに売れるなんて、誰も予想しなかったと思います。
少女漫画は、
少年漫画と違って男女共に読むってことはあまりないので、
普及させるのは少年漫画より圧倒的に不利ですし、
ハガレンにしても、
集英社や講談社などのメジャーな雑誌での掲載でない上に
ファンタジー要素の濃い作品だったので、
普及しやすい作品とは言い難いものでしたしね。
今回の件で盗作された、
井上雄彦さんのホームページを見た所、
この件に関してお悔やみのメッセージを送ってる方を見かけましたが、
ご本人はきっと、心を痛めるとか以前に、
この事件が起こって初めて末次さん知った、
ぐらいの感覚だと思います。
別フレ作品のような少女漫画の類を、
男性の方が興味を持って手にとるなんてことは、
普通まずないと思いますので。
漫画家ですら、なかなかないでしょうね。
今、話題になってる矢沢あいさん等の作品でも、
名前は知っていても、
読んだことはないんじゃないかなーと思いますし。
「ちびまる子ちゃん」とか「セーラームーン」レベルで、
TVでメジャーにならないと、
少女漫画の作品の中身を知る機会は、
男性にはほとんどないのではないかと思います。
(姉や妹がいたりすれば、
 男性でも、
 多少は読む機会ががあるのかもしれないですが。)
漫画家としては、
この盗作事件に対して、
怒りとか以前に、
「他人事ではない」と思う方のが多いんじゃないかと思います。
実際、この末次さんの盗作事件をきっかけに、
儲かってる人へのやっかみだろうと思いますが、
「井上雄彦さんはNBAから盗作している」
という疑惑が浮上しているそうです。
( 関連ページ http://www.yuko2ch.net/inoue/ )
スポーツ漫画を描くのにスポーツそのものを参考にするのって、
常識だと思うんですけど…。
写真や道行く人の姿等、
トレースでなく参考にすることまで盗作だと言われてしまっては、
世の中に何の作品も生み出せないではないかと思うので、
いくらなんでも、
ここまで言うのは厳しすぎだろって思うんですけど…。
ただ参考にするだけで、
いちいち許可を取らなくちゃならないなんて…。
漫画家って、思った以上に大変なんだな~って感じです。

今回の末次さんの盗作事件は、
何よりも、
この盗作した末次さんの作品を楽しみにしてた人が一番気の毒。
きっと、少なくとも、
盗作があったと指摘された作品に関しては、
未完でも、もう描けないだろうし…。
無理やりでも終わりを見せてくれた方が、読者としては嬉しいよね。
すっきりするし。
だから、
「これしきの事で連載打ち切りなんて~」
とファンが言うのはごもっとも。
だって、読者ってのは、
ぶっちゃけ、
「作品」が好きなのであって、
「作者」そのものが善人だろうが悪人だろうが
関係ないですからね。
よっぽど作者その人から害を被った、とかでもなければ、
たとえ殺人犯が作者だったとしても、
その「作品」さえ素晴らしければ、人気は出るだろうし。
私は、
自分が直接関わらない人については、そういう感覚です。
漫画家、作家、歌手、声優、俳優、モデル、芸能人等は、
全て何らかのクリエイターであり、
作品として公開される「演技」「顔」「芸」「話」について評価してるだけなので、
その人そのものの人格がどれだけ世間に最低とか言われてても、
関係ないです。
作家、漫画家、作詞・作曲家等、
思想を表現する類のものは、
本人の思想が表れるところがあるので、
他の職業よりは、多少人格も気になりますけど、
それでも、
「作品さえよければ気にならない」のは事実です。
逆に、
自分が直接関わる人でない以上、
どんなにいい人であっても、
作品として公開されるものが良くなければ、
興味を持つこともなく終わってしまいます。

打ち切りと言えば、
私も、無念に思ってる作品があります。
飯田晴子先生の「パナ・インサの冒険」という作品です。
大好きな作品だったのですが、
この作品の連載が一旦終了し、
代わりに「聖ライセンス」連載という形になったんです。
その当時は、
「編集の意向で、作者が本音ではなく建前しか言えない」
という事実を理解できていなかったため、
「いつか続きを描く」
という作者の言葉をそのまま受け取ってしまい、
聖ライセンス完結時の雑誌のインタビューで
「パナ・インサはもうやりません」とあった時は、
かなりショックを受けました。
裏事情を理解できていなかった頃のことだったので、
「オシマイならオシマイってしっかり書いてくれればいいのに。
 変にまた描くみたいな文を添えないでほしい。」
とか、
「やっぱ続けられるか不明な以上、
 コミックの最終巻で一応の終わりの形はとってほしいよな~」
とか、当時は思いました。
また、
自分の読む漫画雑誌が、
掲載されれば必ずコミック化するものばかりだったため、
一冊にするのに足らない量で連載終了しても、
後で読みきり等を足して、
必ずコミック化すると思い込んでいました。
が、言われてみれば、
出版社もビジネスで漫画を出版するわけで、
売上が見込めなければ本にはできない、
人気がなければ連載を打ち切らざるをえない、
となるのは、
自分が経営者の立場になれば、
当然だなぁと思うことばかりなんですよね。
読者や視聴者の反応で、
当初の予定に反して話の展開が変わったりするのも、
スポンサーの目的が儲けることであり、
儲けるために、
実際に商品を買ってくれる読者・視聴者の意見に沿う必要があるからです。
スポンサーにとっては、
作品の話の筋が通ることより、
作品が売れることが最優先というわけです。
最近アニメの質が下がったと感じるのは、
昔が「少数で質を高く」だったとするなら、
「質が下がっても多く」に、
方針が切り替わったってことなんでしょうね。
そして、
昔より話がいい漫画やアニメが減ったと感じるのは、
「自分の精神年齢が上がった」
のももちろんありますが、
「作品の内容の低年齢化」
「作品の内容が一般的でなくコア
 (つまり、
  スポンサーが購買力のある層の意向に沿った結果、
  マニアとかオタク向けの傾向が強くなった)」
「作品に既に沢山触れているため、
 どこかで見たようなパターンばかりで、
 斬新さを感じる可能性が極めて低くなった」
というのが原因でしょうね。

あと、その他に知った裏事情。
漫画家さんが、
自分の作品であっても、
コミックス化しなかった部分や連載終了となった作品を
同人誌としてでも容易に出したりできないのは、
版権(作品の権利)が自分ではなく出版社にあり、
著作権料を払わないと出版できない、
原稿を出版社から返してもらえない、
という事があるからなんだそうです。
「自分の作品でも自主出版がうかつにできない」と知った時は
随分驚きました。
声優や俳優が、
亡くなったわけでもキャストを一層するわけでもなく
変わったりするのも、
「この人とこの人は離婚したから」「仲が悪いから」
とか、
「昔のメンバーで今やるとお金がかかるから。
 (つまり、予算がないから)」
という裏事情が密接に関わってるが故だそうです。
また、コネ(コネクション)も密接に関わっていて、
この監督とこの役者は長い付き合いだからとか、
この役者が監督のお気に入りだからとか、
事務所Aはバックアップにある企業Bとコネがあるから、
役者をほとんど事務所Aから起用しているとか、
いろいろあるようです。
漫画家さんが掲載雑誌を変わるのも、
「給料等の待遇面」や、
「表現の規制の制限の度合い」
なんかが理由だとか。
今まで、
特殊な職業故に、
一般の職業事情と同じだとは思いもしなかったんですけど、
確かに、
人と人のやりとりであることに変わりはないわけですから、
気にする所が一緒なのも、通りですよね。
なんだか、裏事情が分かるようになってきて、
「だったら仕方ないよなぁ」なんて感じで、
以前よりは、
諦めがつけられるようになった所があります。

年間で、
ドラマ、映画、小説、アニメ、ゲーム、漫画と単体でも多いのに、
全部含めたらめちゃくちゃ話がたくさん作られてて、
しかも皆、
似たようなモチーフ引っ張って来るから、
全く似てない作品なんてないわけで、
ほんと、
どこから著作権侵害なのか難しい所ですね。
話がちょっと反れますけど、
私だったら、
末次さん程度の盗作をされるより、
許可なく、
自分の作品を、
自分に意に反したカップリングで同人誌やサイトで作品出されることの方が、
よっぽどショックですね…。
原作でそうなっていない人間関係
(同人界ではその大半が男×男=ホモですね…)
で描かれると、
どうしても抵抗と嫌悪感を感じてしまうので…(汗)。
こう思うのは、
私が、
「キャラクターは作り手にとって我が子同然のものだろう」
と考えているからですけどね。

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2005/11/23 22:47 | TrackBack() | 著作権・打ち切り・作品の人気と質について

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