所有権について(中古・オークション利用等)
2003年末
最近、
「ネットオークションで売ることを禁止」と主張してる同人誌を見かけます。
中古やオークションについての、
私なりの見解を書かせて頂こうと思います。
(一部、「同性愛と同人について」の部分の著作権についての部分と
内容が重複しています。)
※ちなみに、
黒猫ジジの書斎の商品につきましては、
Witchの方は皆様の所有権を尊重致しますので、
合法である限り、
どこで何円で売ろうが、一切干渉致しません。
捨てられるよりは、誰かに拾って頂けたら幸い、と考える、
リサイクル派な性質ですし。
誰かの収入や誰かの物として、2度お役に立てるなら本望です。
私自身は、
中古やオークションは、
一番最初にそのもの自体を入手する際に、
一度著作権料の支払われた物なので、
その後、その商品を売る事に対して、
法に触れない限り、
著作権は発生しないと考えております。
つまり、
所有権が移ってしまった物に制限を加える事は、
いかに製作者と言えど、
法律に触れない限りは無理=製作者の管轄外だという事です。
でなければ、
オークションとか中古、レンタルが存在するはずがありません。
また、何かを禁止する際には、
ただ嫌だという理由では、たいていの場合何も変えられません。
禁止する事によって生ずる問題に対する解決策も
考えた上でなくてはなりません。
私は、
今上に上げたようなオークション等が存在し続けていられるのは、
便利だからというだけではなくて、
「オークション等をなくした時に、
それに関わる労働者の失業に対して国が保障を負えない事」
「これらによる作品普及率の効果が大きいから」
と考えています。
また、
私も同人活動経験者ですので、
多くの方々が、自分の著作権を主張するのは分かります。
ですが、
そこまで自分達の著作権を主張するなら、
まず自分が原作者自身に許可を頂くとか、
原作者に著作権料払うとかいう所から始めるべきだと思います。
自分がやってないのに他人に主張するというのは、
かなり説得力に欠ける行為です。
まぁ、著作権料が今後発生するようになったとしても、
既に売ってしまった物に関して著作権料をとることは、
可能性として、低いとは思いますが…。
なにせ、
配布された部数の
物的証拠を集めきることが不可能な上に、
同人誌を製作した人が亡くなっているケースもあるため、
現存する人だけが払わなきゃいけないとなると、
不平等が生じてしまいますしね…。
配布のパターンも、
イベント会場だけなら調べようもありますが、
オフラインやオンラインの通販等もありますしね。
ちなみに、
私自身はというと、
もちろん、多くの方々と同様、
今は原作者に著作権料など払えていない状況です。
同人誌を作る際に、
ディズニーのように、絶対禁止と主張してるシャンルかどうか、
ということは確認しましたが、
それ以上のことはしてません。
でも、ちゃんと払う制度ができたら、
売ってしまった物に関しては、
その売上の何割かが著作権料にあたると思っていますので、
ちゃんと払うつもりです。
私は、今現在、
同人の創作以外のジャンルで著作権料を取らないのが
不思議でなりません。
確かに、
同人界は製作側の売上に一役買っているとは思いますが、
だからと言って、
著作権料を払わずに済む理由には
ならないのではないかと思っています。
作者が好む書き方であってもそうでなくても、
著作権は等しく存在していると思います。
私が作者だとしたら、
原作路線で描いているなら干渉しないでしょうが、
自分の作品を自分の描くイメージを反して描き、
著作権料を払わず、
さらにそれで収入を得ているという場合は、
断固許せないです…。
作者にとって、
自分の生み出したキャラクターは、
我が子も同然の存在だと思いますしね。
一つの著者に対して登録して、
登録費1000円くらい(一度払ったらずっと有効)を払う制度でも作って、
「売る作品の全てにコード番号をつけない限り売ってはダメ」
というようなシステムを、
出来る限り早く導入すべきでないか、と思ってます。
きっとこのように登録料をとっても、
同人活動をするぐらい、皆さんその作品が好きなのですから、
参加数が激減する事はないでしょうし、
こうする事で、
原作者さんの中にも、
同人を公認する方が増えるのではないかと思います。
サイト上に関する公開はお金を取らないので、
表現の自由で許されるだろうとは思いますが。
ただ、実在人物のものに関しては、
ドラマの役柄的なものとか、
似顔絵を描く程度は許されるとは思いますが、
基本的には表現する事全てに対して、
本人の同意を取らない限り、
人格権の侵害(本人の名前等を勝手に使用する事)という人権侵害で
訴える事ができると思っています。
実際これは、裁判沙汰になったとしても、
本人が確実に勝訴すると思います。
著作権の侵害以前に、
人権侵害になってしまいますので、
実在人物のジャンルを扱っている方は、
もっと真剣に考えてから行う事が必要だと思います。
そんなに難しい事ではなく、本当に簡単な事です。
ちゃんと自分に置き換えて考えてから、行動すればいいんです。
ある日突然、
自分は許可した覚えがないのに、
あなたと、あなたと恋人関係にない友人のエロ本等が店頭で売っていたら、
あるいはTV放送でそういう映像が合成とはいえ流れていたら、
あなたはどんな気分がしますか?って事です。
とても正気でいられないと思いますよ。
(まぁ、確かに、実在人物というのは、
歴史上の人物も一応そうなので、難しい所ですが、
少なくとも、今本人が存在して、それによる害を被ったなら、
確実に訴えられるでしょうね。)
私の体験したケースですが、
オークションで開始価格が
自分のサークルの定価より高かったからといって、
通販を受け付けませんと言われた事がありました。
まず、この件に関して思った事は、
私が今通販しようとしている行為と、
オークションで売っている行為は全く関係がなく、
この二つを結びつけて考える事はプライバシーの侵害である、
という事です。
また、
自分が売った価格や定価より高かったり、
入手してすぐ売ったりすると
転売目的と決め付ける方がいらっしゃるようですが、
その決め付けるに至って証拠や根拠はちゃんとあるのでしょうか?
単に自分が売った価格や定価より高かったという
状況証拠のみに留まっている方が大半だと思います。
その場合、名誉毀損ですよ、はっきり言って。
実際に私は、
入手して、もう必要ないと思ったものを売っているだけですから。
(例えて言うなら、容疑者=犯罪者じゃないって事です。
実際の世の中にも、
無実なのに容疑をかけられる方は沢山いるって事ですね。
で、無実なのに容疑をかけられたから、
その事に対する慰謝料を求めて、損害賠償を請求するわけです。)
作品を手放す=転売目的という公式は成り立ちません。
CDや本などは特にそうだと思いますが、
その商品そのものを中身を知って買った時以外は、
入手してからしか、
保存するほど欲しいものかどうか、判断はできないのです。
また、
とっておきたいけど他に欲しいものができてしまって
やむを得ず手放す方も大勢いらっしゃいますし、
コレクションするためではなく、
「一度味わう」というために買う方も当然います。
立ち読みで慌てて読むのは嫌だからと、買う方もいます。
中には、
同じ作者の昔の作品を売ったお金で、
新作を買おうとしている方だっています。
それに、
元々オークションとは開始価格を自由に定められるシステムです。
法に触れない限り、
所有権のある人の自由であるという事です。
定価、定価、と言われましても、
購入者にとって重要なのは、
定価ではなく、入手にかかった費用です。
入手に、配送や、振込が必要だったならば、その事も当然考慮に入れます。
少なくとも私は、
オークションで売る場合には、
その事を考慮して出品をしております。
手元にとっておかないならば、
入手にかかった費用をできる限り取り戻したいと思うのは、
誰もが思うところです。
確かに、サークルは企業ではないかもしれません。
ですが、
「売る」という意思表示をしている事への責任は、
企業と同じなのではないでしょうか?
インターネットで
その人に触れる機会が多少増えるからと言って、
その人のプライバシーに立ち入るのは大変失礼な行為です。
私の場合は
オークションIDとメールIDが同じになっているオークションで売っていた所、
通販を断られました。
(つまり、相手の方は、
オークションで見かけたからと言って、
私のプライバシーへ立ち入る形で断って来たわけです。
でも、自分がオークションを利用した時もそうでしたが、
オークションIDを家族や友達と共用するケースはよくありますので、
オークションID=メールIDだからと言って
同一人物と決め付けるのは軽率ですね。)
それに、そのオークションで私が定価以上で売っていたのは、
上にも述べた通り、
元々その商品をオークション上で入手する際に、
定価以上の費用がかかってしまったからです。
(そのサークルさんではもう完売しておりましたので、
オークションぐらいしか入手手段がなかったのです。)
「売る」という意志表示をしていたのに申し込みを受け付けない場合、
料金不足や期限切れ、
罵言雑言を浴びせたという理由からなら分かりますが、
それ以外の理由で断るのは、
「売る」という意思表示への責任に欠ける行為だと思います。
本来の、イベント会場でのサークルの売り場であるなら、
きっとこのような事はされていないハズです。
通販とイベント販売での扱いを変えるというのは、
適切ではないと思われます。
また、売る手段は多様にあります。
オークションと言っても何種類もありますし、
雑誌上に掲載して売るケース、
同人掲示板などのようなものに掲載して売るケース、
個人取引、
中古店へ売る等、
様々な手段があります。
とても全てを把握できないと思います。
その中でたまたま気が付いた人だけ購入を受けないというのもまた、
平等に反する行為だと思います。
全てをチェックできないなら、
そのように購入者を制限する行為は、
無責任なシステムでしかないと思います。
もう、どうしても、
自分の商品を購入後売られたくないと思っているのなら、
物という形にしない事です。
物である限り、無料配布であろうと、売る事ができます。
オークションは、
法に触れない限りは、何でも売れるシステムなので。
(雑誌の切抜きやら、非売品やら、何でも見かけます。)
オークションタイプの販売形式では、
質が高く、希少価値があり、さらに需要が供給を超えると、
どんどん値段が上がります。
(一般の市場は逆で、需要が多いほど価格は下がるんですけどね。)
そういう売り手に好まれるシステムだからこそ、
出品者が増え、
オークションでは品揃いが豊富なわけです。
希少価値に、
小部数生産であるために起こる元々の製本代の高さが加わって、
更に値段上昇に拍車がかかっている、という構造なわけです。
世の中のオークションシステムとその構造、
中古に著作権料の発生していない今の現状を、
少しでも理解して頂けたらなと思います。
(私は、オークションは逆に言えば、
ちょっとお金を余分に出すことが必要な時もあるけど、
そうする事で
一般市場で入手不可能な絶版物でもGETできるわけですから、
便利なシステムだと思いますけどね。)
何事も、相手の身になって考える事が大事です。
また、自分の言動・行動に責任を持つ事が大事です。
・同人誌をオークションで売ることを
禁止する方へ問いたいです。
あなたは、
同人ショップが近くにない方、
行く機会や時間が滅多にない方の立場になって
考えたことがありますか?
オークションで売る方は、
8割方、経済事情があってのことだと思います。
相手の経済事情を考えたことことがありますか?
経済事情がよくなくても、
その中でなんとかやりくりして、目当ての作品を鑑賞したい、
と思っている方がいることも、
もう少し考慮すべきではないでしょうか?。
・オークションでの販売価格を制限する方へ。
中古ショップの方が、
むしろオークションよりも猛烈に高いことがあります。
オークションが高いという認識は、
いささか、決め付けのように思います。
また、オークションで、
開始価格が安いからとか、
即決価格が定価以内だからとかで、
その人が善人か悪人か決め付ける方もいるようですが、
それも誤った認識だと思います。
開始価格がたとえ安くても、
ある一定の額以上にならないと落札できない、
というシステムがありますし、
即決価格が定価以内でも、
即決価格ナシのオークションの方が
安い額で終了したりもします。
オークションの利用の有無で人の善悪を決めるのは、
少し視野が狭いように思います。
・通販利用を、
プライバシーに立ち入って制限する方へ言いたいです。
あなたが逆の立場なら、どう思うのですか?と。
オークションを利用する理由は様々ですが、
売る方の理由としては、
一番は、お金を少しでも節約したいからだと思います。
少なくとも、私自身はそうです。
私が吐き捨てるほどお金を持った金持ちであったなら、
オークションで買うならともかく、
売ったりはしてなかったと思います。
オークション利用には、そういう資金面の背景も絡みます。
実際、
私は中古やオークションの売買ができるからこそ、
多くの商品を購入し、触れる事ができています。
当然ですが、
オークションで売るからといって、悪人ではありません。
実際、オークションには様々な方がおられるようで、
オークションで儲かる方法とか言って、情報を売っている方もいます。
(私は、興味ないのでもちろん手は出しませんが。
なんか疑っちゃいますし…。)
まぁ、何円であろうと、何であろうと、
法に触れない限り自由ですし、
あくまでも購入するかしないかは選べるわけですから、
いいと思います。
差額で儲けるってのは、「売る」という行為の基本ですし。
中古とか、問屋とか、何でも実際そうですよね。
オークションで儲けてる方は、
問屋と同じで、
ただ、店じゃないってだけだと思います。
実際、数十万単位で儲けてる方もいるみたいです。
下手に働くより儲かるんですね。
その儲かってる方々が転売行為かどうかは知りませんが、
やってる行為自体は合法行為ですから、いいんじゃないでしょうか?
生きるための知恵の一種という事でしょう。
中古ショップとかは、
どれぐらい差額付けて売ってるかというと、
こっちから10円で買い取ったコミックを150円で売ったりとか、
200円くらいで買い取った辞書2千円で売ってたりとかって感じです。
同人ショップとかでも、定価より高いのなんてざらに見ます。
特に、KACショップは高めですね。
まんだらけと明輝堂は安いけど。
今は、
KACと明輝堂は
3冊程度まで店員さんが中めくってくれて確認できるし、
まんだらけも、
3冊程度まではカップリングを調べてもらえるから
非常に助かります。
KACは高めだけど、
本にカップリングの表記のシールが貼ってあって、
男女カプ本かどうか確認しやすいのは嬉しい。
明輝堂・まんだらけは、
KACに比べると平均的に安いけど
中見れないし、
原作名・カップリング等の表記ラベルがないのが不便です。
こういう中古店で、
定価より高いと分かってても買ったりするのは、
振込手数料や送料考えたら安いとか、
郵送・配送事故を心配しなくて済むからですね。
何事も、相手の身になって考える事が大事です。
また、自分の言動・行動に責任を持つ事が大事です。
何かを制限するには、
その制限した事によって生ずる問題への保障も必要です。
合法行為を制限するなら、
それ相応の対応をしないと、
制限した方が無責任だと問われます。
所有権の意味も、考え直す必要があるのではないでしょうか?
このトークが、そのきっかけになったなら幸いです。
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